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2021.10.28
金沢の贈り物
投稿スタッフ
秋も深まり、少しずつ寒くなってきました。寒さとともに、冬の味覚のカニや鰤が美味しくなってくる季節がやってきます。さて、今回は金沢の贈り物についてご紹介させていただきます。
金沢(富山でもあるそうですが)には、娘を嫁に出した年のお歳暮に嫁ぎ先に鰤を送る風習があります。これは、出世魚の鰤のように旦那さまにも出世して欲しいという願いが込められているようです。大抵は10キロ前後の鰤を送るそうですが、鰤は10キロを越えると、とたんに値段が跳ね上がるので、かなりのお値段になり大変です。そして、いただいた方は「鰤の半身返し」といって、半身をお嫁さんの実家へお返しします。10キロの鰤となるとなかなか食べきることは難しく、親戚やご近所さんに配るそうです。こんな素晴らしい風習がこれからも残って欲しいものです。
私の好きな言葉に「お道忘れに」という言葉があります。茶道が盛んな金沢では、和菓子屋さんが多く、お客様にお茶とともにお菓子をお出しします。そして、お客様にお菓子をお出しする時に、銘々盆に半紙を折ってお菓子の下にしきます。これは、お客様がお召し上がりにならなかった時に、半紙に包んで持ち帰っていただき、途中でお腹がすいたらお召し上がりくださいという心遣いです。子どもの頃など、出されたお菓子だけでなく、たくさんのお菓子も一緒につつんで「おみち忘れに」といただいた思い出があります。このような、温かい心遣いが生活の中に根付いていくことが大切だとしみじみ感じました。
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